急速な高齢化社会が進む日本において認知症患者もますます増えていくことが予想されます。まだ医療の力では治すことができない認知症。看護師による認知症ケアが重要な役割を果たしています。認知症は老化による物忘れとはわけが違います。認知症の中でいちばん多いアルツハイマー型認知症は脳の機能の一部が萎縮してしまい神経細胞がゆっくり破壊されていってしまう変性疾患です。次に多いのが脳血管性認知症です。脳梗塞、脳出血などがこれにあたります。この認知症は一部の記憶が保たれたまま部分的に記憶が抜け落ちることとアルツハイマーよりも進行が早い場合があることが特徴です。認知症の診断は問診、診察、認知機能生活機能評価、MRIやCTによる画像診断、血液検査などの検体検査も行われて判断されます。

認知症ケアの基本は安心できる環境提供です。この環境には看護師自身も含まれます。声をかける時も驚かせないよう落ち着いた話し方で丁寧に接します。記憶障害への対応も重要でメモを活用したり、過去の記憶を手がかりに振り返りをし精神の安定を図る回想法を用いたり、症状によって使い分けることが大切です。同じことを何度も説明することが出てくると思いますが決して邪険に扱うことはせず丁寧に接することが大切です。認知症患者にとって入院は不安で恐怖であり、または入院したことも理解できていないこともあります。入院前の生活リズムを考慮しながら環境調整を行うことも患者に安心感を提供することにつながります。なお、認知症に関する詳しい情報は専門サイトhttp://ninchishou-nurse-care.comなどを参考にされてみてください。